出生前診断の種類やメリット

出生前診断の種類やメリット

出産になると赤ちゃんが健康で生まれて来られるのかとても不安になります。

 

お腹にいる赤ちゃんが先天性異常やダウン症、そして染色体の異常などがないかを調べる検査を出生前診断と言います。

 

出生前診断は最近よく聞かれるようになりましたが、実は最近できるようになった検査は出生前診断のほんの一種類で、昔から一般的に行われている検査なのです。

 

そこで今回は出生前診断の種類やメリット、問題点、費用など出生前診断について詳しくご紹介していきます。

 

出生前診断の種類と内容とは?

出生前診断は実は5種類あり、超音波断層法、母体血清マーカー検査、絨毛検査、羊水検査、新型出生前診断(NIPT)があります。

 

産まれる前に、赤ちゃんに異常がないかを診断するために行う検査です。このような検査全てを出生前診断と言います。

 

超音波断層法

超音波断層法ですが、これは妊娠中に妊婦全員に行われている検査です。

 

エコー検査とも呼ばれており、赤ちゃんの性別や、お腹の中での様子、顔などをお腹の外又は膣から超音波を当てることで確認することができます。

 

最近では3Dエコーや4Dエコーなども登場し、より画像の精度が上がっています。

 

超音波断層法で分かることは、胎児の体の病気や異常で、ダウン症などの早期発見が可能と言われています。

 

ダウン症の場合、70%の確率で診断することが可能ですが、画像の正確さが劣ると確実にわかることは難しいそうです。

 

妊娠初期の赤ちゃんの首のふくらみなどで診断することができるので、妊娠初期から検査が行われています。

 

母体血清マーカー検査

次は母体血清マーカー検査を説明します。

 

母体血清マーカー検査は妊婦全員が受ける検査ではなく、希望する妊婦のみが実費で行う検査になります。

 

母体血清マーカー検査の内容は、妊婦の血液を採取することで胎盤を通して妊婦に流れてくる赤ちゃんのタンパク質やホルモンの濃度を調べ、先天性の異常がないか検査することができます。

 

ダウン症、エドワーズ症候群と呼ばれる心臓などに疾患がでる病気、そして脳や脊髄が正常に発達しない病気の3種類を検査することができます。

 

ただし、母体血清マーカー検査では疾患になっている可能性の確率が分かるだけで、異常が発見された場合は羊水検査や絨毛検査など更に詳しい検査へ進む必要があります。

 

絨毛(じゅうもう)検査

絨毛検査の絨毛とは、へその緒と胎盤の間にある組織のことで、赤ちゃんの細胞が沢山集まっている場所のことです。

 

この場所へ子宮頸部からか、お腹の上から直接針を刺し絨毛を採取して検査を行います。

 

この検査で分かることは染色体異常だけでなく、DNAの配列異常など今までの検査よりも広範囲で赤ちゃんの異常を見つけることができます。

 

ダウン症の場合99.9%と高確率で見つけることができますが、お腹に針を刺すことで約1%の確率で流産してしまう危険性もあります。

 

絨毛検査は、母体血清マーカー検査で異常があった場合に、更に詳しい検査として行われることが一般的です。いきなり絨毛検査を行うことはないと思って下さい。

 

羊水検査

羊水検査は、羊水の中にある赤ちゃんのオシッコや体から落ちた細胞を採取して検査を行う方法になります。

 

絨毛検査同様、子宮頸部、又はお腹に直接針を刺すことで羊水を採取し、検査が可能となりますが、この検査をすることがきっかけで感染症や、子宮収縮などが起きてしまい流産してしまうリスクもあります。

 

0.3%の確率で流産が起こるため血液検査で異常が発見された時のみに行われます。

 

羊水検査で分かることは絨毛検査と同じで染色体とDNA配列の異常などです。この検査も高確率で検査結果を出すことが可能となっています。

 

絨毛検査と羊水検査を両方行うことはなく、症状や妊婦又は赤ちゃんの状態により検査方法が異なります。

 

新型出生前診断(NIPT)

最後は新型出生前診断(NIPT)です。

 

新型出生前診断は2013年から実施されている検査で、出産予定日時点で35歳以上の妊婦、妊婦本人又はその夫が先天性異常のある場合、そして過去に先天性異常などの子供を出産した経験がある妊婦などが対象となっています。

 

新型出生前診断で分かることは先天性異常、ダウン症、脳や脊髄に障害があるかなどです。

 

DNAなどの異常配列までは調べることができません。

 

この検査が普及している理由は妊婦に流産のリスクが少ないことで、検査をしたために流産をしてしまうことを防ぐ目的で行われるようになりました。

 

検査の精度は99.1%と高く、高確率で異常を見つけることができると言われていますが、羊水検査などよりは少し劣る分部もあります。

 

現在はどの医療機関でもできるわけではなく、認定を受けた医療機関のみで実施されています。

 

検査方法は妊婦の血液を採取するだけなので、母体血清マーカーと同じ方法です。

 

出生前診断の費用とは?

出生前診断の気になる費用ですが、妊婦全員が受けることのできる超音波断層法は保険適用プラス市町村が健診費用を負担してくれているので無料又は数百円程度になります。

 

妊婦健診以外での検査では保険が適用されませんので1〜3万円程度の費用が必要となります。

 

そして、この検査以外では全て出生前診断では保険を使用することができません。

 

母体血清マーカーは1〜3万円程度、絨毛検査は10〜15万円、羊水検査は6〜15万円、最後の新型出生前診断は約20万円の費用が必要となります。

 

この他にも検査前後のカウンセリングには5,000円〜1万円程度が必要で、検査をするかどうかの判断をするためには複数回のカウンセリングが必要となることも理解しておいて下さい。

 

基本的には流産のリスクが少ない検査で簡易検査をし、異常がみつかったら精密検査で調べる方法となる為、出生前診断の費用は少なくても2種類の検査をした合計くらいの費用が必要となります。

 

病院によっては2種類以上の所もあるので検査の流れなどを確認しておくと安心できるかもしれません。

 

出生前診断の時期とは?

ここでは出生前診断が可能な時期についてご紹介します。

 

該当する時期以降の検査は種類にもよりますが流産の危険が高くなってしまうことがあるのでオススメできません。

 

出生前診断をするのであれば、いきなり受診をして検査を受けることは難しいので、複数回受診して検査が可能となるタイミングを待って受けることをオススメします。

 

検査をするかで迷っている人は早期に受診することで検査のメリットやデメリットなど医師や看護師へ相談することが可能となっています。

 

検査をする場合、時期に余裕を持っていると検査をするべきか、検査結果によっては更に詳しい検査をするべきか考える時間を持つことができるようになります。

 

検査には時間が限られていますので、妊婦と赤ちゃんへのリスクを考えると、できるだけ早期から受診し始めるのがいいと思います。

 

超音波断層法

まず、超音波断層法ですが、妊娠11〜13週に行うことができます。この時期はお腹にエコーを当てても赤ちゃんを確認することが難しいので膣からエコーを入れて検査をします。

 

心臓の異常やダウン症などを検査することができます。妊娠20〜30週でもこの検査を行うことができますが、その場合はお腹に直接エコーを当てて検査を行います。

 

内臓や心臓、体の奇形があるかなどの検査をすることが可能です。

 

母体血清マーカー

母体血清マーカーは妊娠15〜21週までに行うことができる検査です。ただし、この検査で異常が見つかった場合、診断を確定させるために更に詳しい検査を行うことになります。

 

その場合、羊水検査や絨毛検査を行い、診断結果によっては中絶などの選択をする場合もあるので、妊娠17週までに母体血清マーカー検査を行うことが一般的となっています。

 

絨毛検査

絨毛検査は妊娠9〜11週で検査することが可能です。どの検査よりも早期に行うことができる検査ですが、その分流産のリスクが高いので注意が必要です。

 

検査の精度も高く、高確率で赤ちゃんの異常を知ることができます。絨毛検査を早期に行うことでこれからの選択を決める時間を十分に作ることが可能となっています。

 

ただし、絨毛検査は行っている病院が少なく、予約が取りづらいなどの場合もあるそうです。

 

羊水検査

羊水検査は妊娠15〜18週に行うことができます。検査結果が出るまでに1〜2週間程時間がかかってしまうため、検査結果を知ってから、以後の方針を選択するまでの時間があまりありません。

 

人工中絶をする場合は22週までにしなければいけないので、短い所ですと検査結果後1週間程度で出産か中絶かの選択をすることになります。

 

羊水検査の結果を早く知り、考える時間が欲しい人は期間内でできるだけ早く検査を受けるようにしましょう。

 

新型出生前診断

最後は新型出生前診断です。

 

新型出生前診断は妊娠10〜18週に行うことができる検査ですが、母体血清マーカー検査同様、異常が発見された場合には更に詳しい検査が必要となるため、遅くても妊娠17週までには受ける必要があります。

 

新型出生前診断ができる病院も限られているため、出生前診断をするのであれば期間前にカウンセリングへ行くようにして下さい。

 

どの検査も目安となる時期を記載しましたが、これは出生前診断の検査の流れや、選択の内容によって多少前後することもあります。

 

出生前診断のメリット・デメリットとは?

出生前診断の一番大きなメリットは、やはり先天性の異常やダウン症を早期に発見できることです。妊娠中にこれらの不安を抱えて10カ月間過ごすことは妊婦にとってとても辛い時間となります。

 

妊娠したことで楽しい時間を過ごせる反面、このような不安と常に戦うことになるのであれば、出生前診断をすることで早期に結論を知れることが精神的にとてもいいようです。

 

そして陽性反応が出た場合、早期に治療をすることで先天性の異常を治療できる場合もあります。治療が困難な症状の場合は、出産後どうやって育てていくのかを十分に考える時間を作ることができます。

 

出生前診断をしていない状態で先天性の異常がある赤ちゃんが産まれた場合、多くの人は生れた喜びよりも不安や絶望が大きくなります。

 

出産直後にこれらの不安を乗り越えることはとても大変で、出産前に知ることで気持ちの整理や、障害がある子供を育てていく覚悟を決めることができる時間を作ることも可能となります。

 

自分の子供と向き合う時間を作るという意味ではとても貴重な時間となるのではないでしょうか。金銭的な面で見ても、障害の種類や状態を事前に知ることで金銭的な問題を考えることもできます。

 

ダウン症は親が亡くなった後も生きていられる時代になったので、赤ちゃんの将来について精神的にも、金銭的にも事前に知っている方が考えやすいのではないでしょうか。

 

デメリットは、出生前診断をすることで障害者がある赤ちゃんの命を奪ってしまうことになるのではないか、この行為は障害者を排除しようとしているのではないかということが問題となっており、いろいろな意見が出されています。

 

出生前診断をして赤ちゃんに異常が確定した場合96%の確率で人工中絶が行われています。このような数字から異常確定イコール中絶という考えが強くなってしまうのではないかという心配も出ています。

 

そして、出生前診断をして余計な心配が増える場合もあり、メリット・デメリットは人それぞれです。出生前診断をしたことで健常だった赤ちゃんを流産してしまうリスクもあります。検査後に出血してしまうこともあります。

 

出産前に検査をすることはとてもいいことなのかもしれませんが、このようなリスクがあることも知っておくと選択を考える際に参考になると思います。

 

出生前診断のまとめ

出生前診断は、妊婦全員が受けるものと、種類によって誰でも受けられるものではなく一定の基準を満たしている人が対象となっています。

 

不安だからといって誰でもが受けられる検査ではありません。出生前診断をすることで妊娠初期から先天性の異常を発見することができ、とても便利ですが、リスクもあり、費用も高額となっています。

 

検査ができる病院が限られているので、カウンセリングなどで通院することを考えると、検査をするか夫婦でよく話し合いをしてから行くことをオススメします。

 

新しい出生前診断が可能となったことで、血液だけで検査できるので、リスクを減らし、精度の高い検査が可能となっていますが、病院が限られる上、高額で、なかなか一般的に普及していないのが実情です。

 

赤ちゃんの異常があるのか知りたい、精神的な不安を解消したい、どのようなリスクがあるのか知りたいと思っている方は一度カウンセリングを受けて医師などの話を聞いてから決断することも一つの方法です。

 

検査の種類によって検査できる内容と、できない内容があるのでよく話を聞いてみて下さい。

 

参考記事

妊娠前後の用語集

 

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